shiho's blog

鬱でも頑張ってる日記(にしたい)

Rさんのこと

 

 Rとは、会社の飲み会で出会った。職場でも見かけたことは何度かあったが、接点がなく話したこともなかった。

 飲み会でRはニコニコし、人一倍楽しそうだった。ただ顔が赤かったので、酔っているのかな?まだ序盤なのに?と思って少し気になって見ていた。

 Rさん、俺のこと知ってる?と聞くと、ちょっとびっくりした顔をしたが、知ってます、知ってます、名前は知りませんけど、と笑顔で返してくれた。

 そして、帰りに、施設長をなぜかバッグでバコバコ叩いていて、みんながそれを見て笑っていた。普通、施設長にそんなこと、とても恐れ多くてできないだろう。やっぱり酔っぱらっていたらしい。

 後で、そのことを聞くと、自分は緊張症だから、お酒の力を借りた、と言っていた。飲み会くらいで緊張するなんて、ご苦労だな、と同情した。

 それから、ちょっとというかだいぶRのことが気になり始めた。なぜだろう。

 俺は積極的に、食事や、お茶に誘った。Rは結婚していたけれど、目の前に彼女がいて、食事や話をするくらい、何でもないだろうと思っていた。Rは自分好みのタイプだったので・・というか、今までにいないタイプだったが、なぜか好きになってしまった。顔も、性格も。

 彼女は、もちろん不倫なんて縁がないし、とんでもないと思っていたようで、警戒心が堅かったが、何度か食事に行って、ふと警戒心がとけたと思った瞬間に「友達になって」と言うと、結構嬉しそうにOKしてくれた。

 でも、友達以上になりそうなことには、相変わらず警戒していたようだった。映画に行こう、と言えば、どうして?と聞いてくるし、会うには、必ず正当な理由を欲しがっていた。俺に「友達以上になるな」と自覚させようともしているようだった。

 

 だから、今、こうして彼女を抱きしめ、一生懸命になっている俺が信じられない。

 Rは、俺より一回りも年上だ。俺も年より若く見られるけど、Rも20代だと言っても信じられるほど、若いというか、綺麗だった。そんなに化粧もしてないし、ネイルや高い服を着ているわけでもない。むしろつつましく、健康的で、飾りっ気がなかった。

 俺から見れば、白いシャツ1枚着て笑っていれば、それだけでキレイな人だった。

 好きだ。かわいい。

 いとおしい。

 こんな気持ちになるはずじゃなかったのに、おかしい。体も汗だくだが、気持ちも同じだった。そして、こんなに満たされる気持ちははじめてだ・・

 彼女も小さな声をあげた。

 いけない、1回きりだと、言われたばかりだ。そんなの切なすぎる。そう思ったが、この充足感は、そんな気持ちを吹き飛ばしてしまった。

 人妻を寝取った気持ちなど微塵もなく、俺は目の前の好きな人と、ただ最高の時間を過ごしただけだった。

                        つづく